mod
加算・減算・乗算
定義 Zmを集合0,1,2,...,m−1とする。Zmにおける加算+m、減算−m、乗算⋅mを次のように定義する
- a+mb=(a+b)modm
- a−mb=(a−b)modm
- a⋅mb=(a⋅b)modm
乗法逆元
定義 ある整数aは、a⋅mb=(abmodm)=1であるような整数bが存在するとき、mを法とする乗法逆元をもつという。Zmの単元とは、mを法とする逆元を持つ整数aのことである。
- 例: 3⋅75=1より、3はZ7に乗法逆元5をもつ。(逆も一緒)
- mを法とする逆元のペアを見つけるテクニック
- kmodm=1の形をした数kを因数分解する
- 例: 55mod27=1 → 55=11⋅5 → 11と5は、Z27におけるお互いの乗法逆元
- ab=1 (mod m)なら(−a)(−b)=1 (mod m)でもある
- 例: 11と5がZ27におけるお互いの乗法逆元 → 27−11=16 、27−5=22もお互いのZ27における乗法逆元
- 結合法則・分配法則を利用する
- 例: 2⋅2714=1,4⋅277=1を利用し
- (2⋅2714)⋅27(4⋅277)=1⋅271 ⤵交換・結合
- (2⋅274)⋅27(14⋅277)=1⋅271
- 8⋅27(98mod27=11)=1
- 8, 11がお互いにZ27における乗法逆元とわかる
零因子
定義: a⋅mb=0を満たす元b (0<b<m)が存在するような元a (0<a<m)のことを零因子と呼ぶ
- 例: 2⋅63=0、3⋅64=0より、2, 3, 4はZ6の零因子
合同
定義: mを0より大きい整数とする。2つの整数aとbが、ある整数tを用いてa=b+mtと表せるとき(つまりb+mの倍数)、aとbはmを法(モジュラス)として合同であるという。
- 例: 55≡1(mod27)
同値関係: mを法とする合同は、同値関係である。
- 反射律: a≡a(modm)
- 対称律: a≡b(modm)ならば、b≡a(modm)
- 推移律: a≡b(modm)かつb≡c(modm)ならば、a≡c(modm)
また、もしa≡b(modm)かつa′≡b′(modm)ならば、次が成り立つ
- 加算: a+a′≡b+b′(modm)
- 乗算: aa′≡bb′(modm)
というわけで、方程式とかも解ける(kekeho)