# なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか アメリカから世界に拡散する格差と分断の構図
## Metadata
* Author: [渡瀬 裕哉](https://www.amazon.comundefined)
* ASIN: B07ZJDZ37F
* Reference: https://www.amazon.com/dp/B07ZJDZ37F
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## Highlights
この手の政治家の演説内容を分析すると、見事なまでに二項対立構造がちりばめられており、非常によく設計された内容であることがわかる。 — location: [212](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=212) ^ref-43608
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選挙のマーケティング技術の定義は「社会に存在するアイデンティティの分断を発見し、その分断の認知を広く流布し、なおかつ有権者のアイデンティティを画一化に向けて誘導する技術」 としておきたい。 — location: [246](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=246) ^ref-63867
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選挙のマーケティング技術の根幹は、「アイデンティティの分断」を発見すること にある。つまり、単純な情報技術の問題ではなく、 社会科学的な要素を踏まえて人間社会を複数のグループに隔てる断層を発見する行為こそが、何よりも重要 なのだ。 — location: [278](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=278) ^ref-1535
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アイデンティティの分断を発見することは、選挙の観点から見ると「選挙争点」を作ることとほぼ同義である。 — location: [281](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=281) ^ref-60723
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徹底したアイデンティティの分断圧力にさらされている現代人は、大きなストーリーの文脈で考えれば、社会的な一体感を感じるよりも疎外感を感じることが増えている。ただしそれは同時に、自らの政治的傾向に合った水槽の中で、ともに熱心になれる政治的なニーズを持った人々に出会いやすい環境が提供されている状態とも言える。 — location: [460](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=460) ^ref-47571
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グローバル化は世界の平準化を生み出すように見えたが、実際は、世界を二つの新たな分断の方向に導こうとしている。それは、 ①属性ラベリング(主に文明・宗教・民族)による分断 ②国家のナショナリズムによる分断 — location: [1077](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=1077) ^ref-26761
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他者が押し付けるアイデンティティの分断に飲み込まれることなく、自らアイデンティティを選び取る人々が、世界各地で目覚め始めており、既存のお約束の中にある政治シナリオを打ち破る可能性を秘めている。 — location: [1160](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=1160) ^ref-58758
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現代社会は、常に何らかの形でわれわれに画一的・単純化されたアイデンティティを強制し、その枠の中に人間を押し込めようとしてくる。政治はアイデンティティの分断を人々に認識させ、その対立構造を利用して政治的資源を動員することを生業にしているからだ。 このような状況を脱却し、自らのアイデンティティをうまく使いこなせるかどうかによって、「しなやかで強靭な精神を手に入れられるか否か」の道が分かれていくことになる。 — location: [1216](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=1216) ^ref-9977
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他者が「分断」によって作り出した画一的なアイデンティティに自分が飲み込まれないようにするには、決して何か一つのアイデンティティを妄信せず、あくまでもアイデンティティとは自らが使い分ける「道具」でしかないことを認識する必要がある。 — location: [1265](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=1265) ^ref-37725
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われわれが取り戻すべきは「自由意思」であり、「自由意思が生み出すアイデンティティの多様性」 である。 他人から押し付けられたアイデンティティではなく、自らがよい 塩梅 になるように調整したアイデンティティは、あなた自身を制約するのではなく、自らの能力・努力と最大限に結び付く形で力を発揮する。 — location: [1721](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=1721) ^ref-49279
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2 パターン別 「アイデンティティの分断」への対応策 — location: [1728](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=1728) ^ref-54165
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人々の対立点を積極的に解決しようとせず、各個人が共通の目的を持って協力し合える分野について取り組むことが正しい選択 だ。 — location: [1788](kindle://book?action=open&asin=B07ZJDZ37F&location=1788) ^ref-11703
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