# 定義 $A, B$を2つの集合とし、ある規則$\Gamma$によって、$a \in A$に対してそれぞれ一つづつ$B$の部分集合$\Gamma(a)$が定められるとする(つまり$\Gamma(x) \subset B$)。なお、$\Gamma(a) = \phi$となるような$a$があってもよい。 そのとき、この規則$\Gamma$のことを「$A$から$B$への**対応**」といい、$a \in A$に対して定まる$B$の部分集合$\Gamma(a)$を「$\Gamma$による$a$の**像**」という。 また、$A$を対応$\Gamma$の**始集合**、$B$を**終集合**という。 $\Gamma$が$A$から$B$への対応であることを、以下のように表す $ \Gamma: A \rightarrow B $ ![[Drawing 2025-08-23 23.33.19.excalidraw]] # 対応のグラフ $\Gamma: A \rightarrow B$のとき、$A \times B$の部分集合である$\{ (a, b) \ | \ a \in A, b \in \Gamma(a) \}$のことを$\Gamma$の**グラフ**といい、$G(\Gamma)$で表す。 定義より、$a \in A, b \in B$に対して、$(a, b) \in G(\Gamma)$と$b \in \Gamma(a)$は同値である(どちらも命題の真偽が同じになる) よって、以下が成り立つ。 $ \Gamma(a) = \{b \ | \ (a, b) \in G(\Gamma)\} $ (右辺は、「$a$ と組になってグラフに現れる $b$ 全体」という意味) # 定理: 対応の同値性 $A \times B$の任意の部分集合$G$に対して、$G = G(\Gamma)$となるような$A$から$B$への対応$\Gamma$がただ一つ存在する。 ## 証明 $\Gamma: A \rightarrow B$は、そのグラフ$G(\Gamma)$によって一意的に定められる。 $A$の各元$a$に対し、$B$の部分集合$\Gamma(a)$を$\Gamma(a) = \{ b \ | \ (a, b) \in G \}$と定めて、対応$\Gamma: A \rightarrow B$をきめれば、 $ (a, b) \in G \iff b \in \Gamma(a) \iff (a, b) \in G(\Gamma) $ であるから、$G = G(\Gamma)$となる。 # 定義域・値域 [[定義域]]: $D(\Gamma) = \{ a \ |\ \exists{b} ( (a, b) \in G) \}$ [[値域]]: $V(\Gamma) = \{ b \ | \ \exists{a}((a, b) \in G \}$